水彩技法の基本である、にじみ・ぼかし・グラデーションの3つは、ほとんどの水彩画の中で使われている技法です。この3つが上手く描けるようになると表現の幅がぐっと広がります。
今回はグラデーション技法のコツと、作業工程を分かりやすく紹介します。
グラデーションは、風景画でよく使われる技法です。
空や海、川や湖、山や草原など色んな場面で使われます。とくに大きい面をグラデーションを使って描くことが多いですよね。
そのグラデーションがムラになって綺麗に描けないと、せっかくの絵も台無しになってしまいます。コツを覚えると上達も早くなりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
グラデーションを綺麗に描くコツとは
- 最初にたっぷりと絵の具を作っておく
- 水彩紙が乾く前にすばやく描く
- 一発で描く
- 水彩紙をあらかじめ水で濡らしておく
この4つをするだけで、綺麗なグラデーションが描けるようになりますので、試してみてくださいね。
上記の他には・・・
- 水彩紙を縦にして描く
- 上質な水彩紙を使う
などがあります。
1色グラデーションを綺麗に描く!
①最初にまずたっぷりと絵の具を溶いておきます。
途中で無くなって作り直している間に塗った部分が乾いてしまい、それがムラになってしまいます。絵の具は最初にたっぷり作っておきましょう。
②水彩紙にたっぷり水を含ませた筆で一面を塗ります。
表面がテカテカ光るぐらい塗ります。
水彩紙を縦にして、水が滴る場合は少し水が多いです。
染み込むまで数秒待ちます。
③絵の具を筆にたっぷり含ませて、水彩紙の上から下に塗っていきます(写真の例では)
ここで注意することは、上から下に塗って行くとき、上に戻って塗り直しはしないようにしてください。途中で段々と色を薄くしていくために、筆に水を含ませたり、筆洗で洗った時に上の方まで再び塗ってしまうとムラになりやすいです。
一発勝負!がんばってみてくださいね!
水彩紙はマルマン社から出ているヴィフアール荒目を使用しています。
また、グラデーションを描く時は水彩紙をイーゼルか壁などに、立てかけて描いても良いです。水彩紙を縦にして上から下に塗っていくと、絵の具が下に流れていきます。下に溜まっていく絵の具を、のばすようにして塗っていくとムラになりにくいです。
他の1色グラデーションの描き方
たっぷりの絵の具を作って、水彩紙にそのまま描いていく方が早く描くことが出来ます。
しかし、この方法は色の階層が出来やすいことも多いです。初心者の方は、先に水で水彩紙を濡らしてから描く方法をオススメします。
<水彩紙にそのまま描いたもの>
また最初に1色の絵の具を濃い色・中間の色・薄い色を3段階に分けて作っておき、それぞれ塗っていく方法もあります。仕上がりにそんなに変化はないので、1色グラデーションの場合は、あまりする意味もないかと思います。
<3段階塗りしたもの>
たっぷりの絵の具を作って、最初に水彩紙を水で濡らしておいてから、1色グラデーションをぜひ描いてみてくださいね~!