今回はぼかしの技法とコツを、作業工程と共に分かりやすく紹介します。
水彩技法のぼかしとは、グラデーションの一種です。塗った色が乾く前に、その境目を水の筆でのばして濃い色から薄い色に、ぼやかす技法です。
透明水彩を描く時に、使う機会の多い技法です。
やわらかい感じの印象になり、透明水彩の醍醐味の1つでしょう。
コツを覚えて、綺麗なぼかしを描けたら楽しいですね♪
ぜひ参考にしてみてください。
ぼかしを綺麗に描くコツとは
- 最初にたっぷりと絵の具を作っておく
- 水彩紙が乾く前にすばやく描く
- 塗ったらこまめにぼかす
- ぼかす時の筆につける水の量に気を付ける
・使う絵の具は、水でたっぷりと溶いて用意しておきます。
筆で描いた時に色がかすれる状態では、水の量が少なすぎます。すぐに乾いてしまうので、もう少し水を足しましょう。水彩紙を傾けた時に塗った色が少し動くくらいが目安です。
・塗ったらこまめに、ぼかします。
ぼかす箇所をいくつも作っていくと、最初に描いた部分からどんどん乾いてしまいます。1つ2つ作ったらすぐにぼかしていきます。
・ぼかす時は、筆につける水の量に気を付けます。
色を塗ってぼかす時に、筆につける水の量が多すぎると色の塗った方に水がどんどん移動してしまいます。濃度が薄い方から濃い方へ移動する性質があるためです(これを利用した水彩技法をバックランと呼びます)
筆から水が落ちるようでは多すぎますので、ティッシュやタオルで水の量を調節しましょう。
ぼかしを綺麗に描く!
①たっぷり絵の具を溶いて、塗ります。
絵の具をたっぷり溶いておくと、すぐに乾くことがないのでぼかしやすくなります。
②塗った絵の具が乾く前に、水を含ませた筆でぼかしていきます。
ぼかす方向に筆を左右ジグザグにのばすようにすると綺麗にぼかすことが出来ます。
③最後に右側をなじませて完成です。
筆でぼかす時の水の量を調節しないと、下の写真のようにもなります。水の量が多いとこういう風になるので、もう少し筆に含ませる水の量を減らしましょう。
●筆から水が滴り落ちるくらいの量でぼかした場合
●上の写真よりも少し水の量を減らした場合
※まだ水の量が多いです。
別のぼかし方では…
①絵の具を塗ります。
②色を塗った部分より少し右側に、水を含ませた筆で塗っていきます。
③そして色を塗った境目を、左右ジグザグにぼかしていきます。
試しに色々と描いてみて、自分の描きやすいぼかし方を見つけてみましょう♪
ぼかしの色々な形
模様みたいに描いてみたり…、色々な形にぼかすことが出来ます。
空や木、果物や野菜など、風景画や静物画など、さまざまな場面で使うことの多い水彩技法のぼかしです。綺麗にぼかして、色んなぼかしを楽しく描いてみてくださいね!