透明水彩絵の具のチューブをよーく見ると、
色んな記号が書かれてあることに、気付きますね。
これらには、ちゃんと意味があります。
今回はこれらの記号について、簡単に紹介します。
透明水彩絵の具の性質を知ろう!
メーカーによって、それぞれ記号の記載が多いものや少ないものがあります。その中で主に書かれているのは、以下のものがあります。
耐光性記号
光に当たることによって塗った色が変色、または色が薄くなったり、色褪せてしまわないかどうかの度合いを表しています。
メーカーによって*や☆マークなどで記載されています。
透明性記号
その絵の具が、透明か半透明か不透明かの種類を表しています。
メーカーによって〇や□マークなどで記載されています。
透明水彩絵の具なのに透明、不透明があるの?と不思議に思うかもしれません。
実際にホルベイン社の透明水彩絵の具で、試したものが以下になります。
透明色のピーコックブルーは黒い線がよく透けて見えます。
不透明色のぺインズグレイは黒い線があまり透けません。
実際に塗って試してみると、意外と違いがあります。
ピグメント(pigment)
顔料の名前を表しています。
ピグメント(C.I.Name=Color Index Name)として記載されています。
例えば、ホルベイン社のウルトラマリンディープでは“PB29”とあります。
チューブにあるピグメントの記載が1つの場合は単一顔料になります。1つの種類の顔料だけを使って作られた絵の具です。
毒性注意
人体に有害な物質が入っている絵の具には、×マークが記載されています。
上の写真は、ホルベイン社のカドミウムイエローディープです。
主に書かれているのは、以下のものがあります。
※絵の具に含まれているこれらは、そこまで神経質になる必要はありませんが、使う時には口や目に入らないように注意して、なるべく素手で触らないようにしましょう。
(Cd)カドミウム化合物
カドミウムの人体への影響例
せき、胸痛、呼吸困難、腎臓機能に障害、骨や関節が脆弱など
(Co)溶解性コバルト
コバルトの人体への影響例
発がん性があり、 皮膚炎、ぜんそく、肺炎、肺機能異常など
(Cu)溶解性銅
銅の人体への影響例
大量に摂取しなければ、とくに影響はなし
APマークとCLマーク
ACMI(Art and Creative Material Institute)が発行しているマークで、アートやクリエイティブ製品の安全性を促進する約200の芸術、工芸、創造材料メーカーの国際協会です。
AP(Approved Product)マークは、急性または慢性の健康問題を引き起こすのに十分な量の物質を含まないことが証明されている製品につけられています。
CL(Cautionary Labeling)マークは、正しく使用すれば危険ではありませんが、子供向けの製品ではないものにつけられています。
ホルベイン透明水彩絵の具にある記号
色名
使用顔料名
耐光性記号
*
透明性記号
○
シリーズ記号
毒性注意
(絵の具毒性取扱い注意記号)
(Cd)カドミウム化合物を含みます。
(Co)溶解性コバルトを含みます。
(Cu)溶解性銅を含みます。
APマークまたはCLマーク